西立川おとなとこどもの
クリニックのブログ

何気ない日常

この1か月程、世界は非常事態となり、不安の強い落ち着かない日々が続いています。

自身も、東日本大震災や新型インフルエンザのパンデミックを経験しましたが、その時も今も感じたのは、ごく普通の何気無い毎日を送れる事がどんなに幸せか、という事です。

学校や職場、買い物や旅行、交通機関、人との交流、物流など、毎日当たり前のように行われている事ができなくなったり失われて初めて、どんなにありがたいことだったかを思い知るのです。

朝のテレビ番組は不安なニュースばかりで、沈んだ気持ちで出勤し、クリニックのドアを開けると、そこはいつもの穏やかで優しい雰囲気の空間で、スタッフのおはようございますの挨拶と、掃除機の音。ここだけが、変わらない日常の時間が流れているようでホッとするのです。

それならば、ここはどんなことがあっても、守っていかないといけない、と強く願わずにはいられません。

世の中がどんなに不安な状況であっても、せめてクリニックに来た時くらい、皆様が穏やかで安心した気持ちになれるようにしたいと思うのです。

どんなに困難なことがあっても、患者さんの前では笑顔でいられるように、私やスタッフの笑顔や明るさで、皆様の気持ちが少しでも和らぐように、出来る限り頑張っていこうと思います。

研修医の時に一度、命に関わる危険に晒されたことがありました。もちろん、不安もあり辛い思いも挫折もありましたが、それでもやめようとは思いませんでした。患者さんを支えるのが医者の仕事であるはずですが、時々患者さんに支えてもらうこともあると感じています。

元気になって顔を見せてくれる時や、長い時間かかって良くなって喜ぶ顔を見た時の幸せ、それがあるからこそ、ずっと休むことなくこの仕事を続けて来ることができました。

だから危険と隣合わせの診療であったとしても、覚悟して心を決めています。それが自分の生きる道です。

どうかどうか、早く世界に穏やかな日常が戻りますように…

私の好きな絵

ピカソの「ゲルニカ」です

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