気候が不安定な時の体調について
- 2018.08.19
最近、急に涼しくなり、特に夜から朝方にかけ気温が低くなっています。
また異常気象で台風が多発しており、来週は二つの台風が重なって日本にやってくる予想になっています。
このように、天気が急変したり、気圧の変動が激しいと、体調を崩しやすくなります。
特に、自律神経系の疾患、喘息や心疾患、偏頭痛、痛みを伴う疾患をお持ちの方は、発作が起きやすくなったり、症状が出やすくなったりします。
症状が起きてから悪天候の中受診しなくても済むように、予め受診して相談していただくようにして頂くのも安全な方法と考えます。
例えば喘息であれば、台風が来る前日あたりから吸入薬使用を追加したり回数を増やしたり、症状が悪化する可能性があるかどうかを医師から聞いておくだけでも心の準備ができ、安心できることもあると思います。
私が研修医で内科のローテート研修で呼吸器科を回っている時に、日曜日の雪の朝、救急車で搬送された若い男性がいました。小学校の先生をされていた方だったと記憶しています。喘息の既往はありましたが、ずっと発作は無く落ちついていたので定期的な治療も受けていなかったようです。挿管されICUで治療を受けましたが、自分が主治医ではなくはっきり覚えていませんが、何らかの合併症があり亡くなってしまいました。
それ以来、雪や台風の予想が出ると、外来に来る喘息の患者さんに、注意を呼び掛けるようにしています。
自然の脅威の前で人間は弱い存在です。だからこそ、人間は科学の力で身を守る術を身につけて今日まで生き延びてきました。
これからも奢ることなく、自然の大いなる力に畏怖の念を持ちつつも、微力ながら患者さんの命をできる限り守っていきたいと思います。