中秋の名月
今晩は8年ぶりの満月の名月とのことで、雲間から垣間見たお月様が美しい夜でした。
帰宅して月を見たくて犬を連れて歩いていると、見知らぬ年配の女性に声をかけられました。
「お月様見た?今日は8年ぶりなんだって。さっき少し見えたんだけど」
「私が仕事帰りに車から見た時はオレンジの月がとても綺麗でした。今は雲に隠れてますね。」
「あら、そうだったの。様子を教えてくれてありがとう。」
「8年ぶりなんて、なんか拝んでおかなきゃって気になりますね、お月様」
「あら、あなたもそう思う?よかった!私もそう思って見に出たのよ。お話しできてよかったわ。ご苦労様。」
そんな会話をして女性と別れました。
なんとなくあったかい気持ちになりました。
コロナ禍で人と人との関わりは希薄になる一方で、でもそれが心地よいと感じる人もいるでしょう。
でも結局、人を癒すのも傷つけるのも、人なんだろうなぁ。
様々な仕事がAIに取って代わられる今、医師としてロボットに役目を奪われないためには、人にしかわからない心の奥深くを覗いて、相手が求めている言葉や問いかけを、的確に探し当てる役割を果たしていかなければならないと感じています。
人だからこそ、僅かな言葉を交わすだけで、こんなに癒されもするし、時には傷ついたりもする。
綺麗なお月様がそっと教えてくれた夜でした。
ブログ更新しなくてごめんなさい
今日患者さんに、「先生のブログ読んでます」とお声かけ頂いたのですが、最近忙しさを言い訳にして更新をサボっていたので、申し訳無い気持ちになりました。
私の拙い文章を目にしてくださる方もいらっしゃるんだと思うと、色々お伝えしたいことがありブログに書かなきゃと思っても、なかなか書く気持ちになれないでいた最近でした。
とにかく仕事から帰宅すると疲れてぐったりしてしまい、家事もあるのでそれが終わると夜中で、そこから何かしようという気力が起きない日が続いていました。
休みの日も、産業医の仕事や研修などもあり、一日休める日はあまりありません。
しかしそんな言い訳はしてはいけないと、毎日気持ちを奮い立たせています。
これからは診療に関する事などを中心にもう少しマメに更新していこうと思います。
緊急事態下でストレスが溜まりやすい毎日ですが、皆様はどのように気分転換をされていますか?
私は今は一緒に暮らしているワンコに癒しを貰っています。我が家のワンコは穏やかでフレンドリーな性格で、帰宅すれば毎日大歓迎してくれ、何か作業をしていると傍に寄り添って静かに横になっています。運動不足の毎日に散歩する機会を与えてくれ、つぶらな瞳でじっと見上げて心配してくれます。
犬は今を生きています。
過去の事はそれほど覚えていなくて、この先どうなるかをあまり心配はしないでしょう。
今の一瞬が楽しく幸せならそれで嬉しい。
そんなふうに見えます。
先行きの見えない今の世の中は、人間もそんなふうに考えて生きないと、辛くなってしまうかもしれないと、最近思うようになりました。
ふわふわの毛の生えているお腹に顔を埋めて深呼吸すると、温かい体温を感じ、なんとも言えない優しい匂いに気持ちが柔らかくなっていくのを感じます。
今の私を支えてくれている大切な存在です。
彼がいなかったら、随分辛い毎日だったのではと思う今日この頃です。
生きていくことは基本辛く苦しい事、その中に少しだけ嬉しいことや幸せなことがたまにあって、それを支えにして生きていけるか、それが全く見つけられずに暗闇に落ちていくか。期待しないでいれば楽なのか、心を無にして耐えていくべきなのか。
悩みを抱えていらっしゃる方の話を伺うと、本当に色々考えさせられます。
非力な私ですが、悩める方々に寄り添い、共に暗闇に指す光を見つけていけるような医療者でありたいです。
これからはブログ更新頑張ります❣️
コロナとワクチンに思うこと
人類が初めて遭遇することになった未知の病「新型コロナウイルス感染症」流行が始まり1年半が経過しました。
ワクチン開発ののち、世界で接種が始まり、日本でも医療従事者に続き高齢者の接種が始まり現在は2回目の接種を済まされた方も多くいらっしゃいます。
来月にはオリンピックが始まろうとしており、日本は困難な局面を迎えていると言えます。
コロナ自体にも、ワクチンにも、そしてオリンピックにも、はたまた政府や自治体の対策にも、賛否両論の意見が渦巻いていて、議論がなされています。
そして、時には賛否の意見が衝突したり、社会の中で問題を起こしたり、事件になることもしばしばです。
私の印象では、今の日本はコロナ前に比べてかなり変わってしまったと感じます。
もちろん、私自身も意見は持っています。
しかしそれは私的な意見であり、公的に思うことはただ一つ
「今やるべき医師の仕事を全うしたい」
ということだけです。
私は医師です。それ以上でも以下でもありません。医療以外の事はできないし、したくもありません。
私は偉い大学病院の教授や研究者ではありません。善悪を判断する裁判官でもなく、犯罪者を取り締まる警察官でもありません。また政策を考え実行する政治家でもないし、メディアで様々な意見を述べる評論家でもありません。
だから、今自分のやっている医療や患者さんに施すワクチンが、10年以上先にどんな結果を及ぼすかまでは私にはわかりません。100%正しく安全であるとは保証できませんが、危険だからやめなさいと言うこともできません。
言えるのは、経験値に基づいた現時点で予想される危険と利益について詳細に説明し、納得された方に治療やワクチンを施すということだけです。
毎日毎日ワクチンと一般診療と発熱外来とで大変で、院長はいささかへばって愚痴を言ったりしても、スタッフは愚痴も言わず、明るく穏やかに淡々と業務をこなしていて、時には愚痴る院長に労りの言葉をかけてくれて、身内ながら本当に頭が下がる思いです。だから今日まで頑張って来られたところもあります。
世界が、そして日本が、コロナを収束させて穏やかな日常を取り戻すために、今ベストと思う事を、ひたすら努力して実行していくこと。社会や地域が必要としていることに、自分の能力を活かして貢献していくこと。
今自身がやるべきことはこれに尽きます。
医療従事者でも様々な意見を持って発言したり、様々な団体がコロナやワクチンに対して意見をお持ちの事でしょう。
しかし私と私のクリニックはスタッフと共にただひたすら前を向いて、淡々と今やるべき医療をやっていく所存です。
ワクチンやオリンピック絡みで世の中が不穏な空気になっている昨今ですので、当院も地域の医師会や近隣の医療関係者の皆様、自治体や警察署などにもご指導賜りつつ、当院の使命を果たしていきたいと考えております。