子宮頚がんワクチンをご検討の方へ
- 2022.03.24
2022年度より、子宮頚がんワクチンの積極的勧奨が再開します。これに伴い、当院でも公費対象であるガーダシルと、自費ではありますが効果の非常に高いシルガード9の接種を開始いたしました。(サーバリックスについては流通不安定で入手が困難となっていることから現在お取り扱いを停止しています)
世界では子宮頚がんワクチンは特に問題無く接種が進んでおり、このため子宮頚がん罹患率や死亡率も低い値となっておりますが、日本では積極的勧奨が中止となり接種がほとんど行われなかった影響もあり、他国に比較し明らかに罹患率や死亡率が高くなっております。この事から考えても、非常に効果の高いワクチンといえます。
子宮頚がんワクチンについては日本において過去に重篤な副反応が報告されたため、副反応をご心配され接種を迷われていらっしゃる方も多いと思われますので、参考になるかはわかりませんが、院長の娘2人に接種した感想と副反応についてご報告しておこうと思います。
まずは親の気持ちですが、正直私も副反応が心配でした。しかし、ここ数年、自分と同じ年代の友人達や知り合いが子宮頚がんになり、手術を受けたケースが多く、身近に恐怖を感じた事や、自費ではありますが、効果の非常に高いワクチンが登場し、接種する利益が高いと判断して、思い切って接種を受けさせることといたしました。ただ、実際に接種を受けた人が周りにおらず不安ではありました。しかし、患者の皆様におすすめするのに、自分の娘に接種ができないのでは矛盾してしまいます。言葉は悪いですがまずは自分の娘で実験してみる、といった気持ちで接種を行いました。
まずは娘達に接種の意思があるかどうかを確認しました。過去の副反応で訴訟が起きている事も伝えて、接種の効果についても説明したところ、2人ともぜひ接種したいと希望し同意したため、接種に至りました。
2人とも基礎疾患やアレルギーはありません。
2人ともおおらかで細かいことは気にしない性格で、病院や注射に対する恐怖心はありません。
過去の接種については、コロナワクチンで翌日だけ発熱しましたが、それ以外のワクチンで副反応は経験はありません。
接種は当院で、ワクチンはシルガード9を選択し、医師監督下で筋肉注射の手技に慣れているベテランのナースが行いました。
本人達の感想は、接種時の痛みはコロナワクチンの3倍くらい強い痛みで接種後数分続いたが、その後は気にならなくなったとのことです。接種後の体調不良は一切ありませんでした。
またシルガードを取り扱うメーカーの社員の娘さんも3回の接種で、接種時の痛み以外の副反応は無かったと聞いています。
仲良くさせて頂いている婦人科の先生方からも、シルガードに関しては異常の報告は聞いておりません。
公費を利用される方はガーダシル、自費でも可能な方はシルガードをおすすめいたします。
当院での費用は、シルガードは一回3万円(税抜)で、合計3回接種となります。
自費診療ではありますが、国が今後定期接種に移行を検討しており、副反応報告をする目的で個人情報の登録が必要となります。接種をご希望される方には御案内させて頂きます。
また子宮頚がんワクチンは安全上、お電話での完全予約制で行います。接種対象の方が少なく、ワクチン代が高価なため、ワクチンは取り寄せし事前精算となり、原則キャンセルはご遠慮頂いております。(体調不良などによる延期は可能です)
ガーダシルをご希望の方で、公費での接種対象になっていらっしゃる方は、問診票と母子手帳を必ずお持ち下さい。
ご不安な方は事前にご相談にのりますので、お問合せ下さい。