皮膚科診療について
- 2019.09.08
当院は昨年開院して数ヶ月後から、皮膚科の標榜を正式に追加届出し、診療を開始しております。
開始した理由として
1.患者さんから皮膚科に関する相談や診療の要望が強かったこと
2.内科や小児科疾患と関連している皮膚科疾患の場合には、皮膚科専門のクリニックでは充分な診断や治療ができない場合があること
3.女性の方の場合、身体の部位によっては男性の先生に見せるのに抵抗があり、女性医師であることを理由に受診される方が大勢いらっしゃること
などが挙げられます。
お子さんの場合、成長とともに肌の状態は変わっていくため、月齢や年齢で保湿剤の種類や外用薬の内容をこまめに変える必要があります。またどの年齢の方も、同じ薬を漫然と使用したり、ステロイドを保湿剤に混ぜて全身に塗布したりすると、長期的にトラブルになることがあるなため、必ず定期的に肌の状態を観察して、保湿剤やステロイドの種類や強さを、月齢、年齢、季節、肌の状態や身体の部位で使い分け、きめ細かいケアを継続することにより、美しい健康な肌に改善することが可能となります。
当院では皮膚科の治療方針として、上記の注意点の他に
1.場当たり的な治療ではなく、日本皮膚科学会の診療ガイドラインに基づいた治療原則を守ること。日々進歩していく最新の治療レベルを研修等で維持し、最も効果的で安全な治療を提供していくこと。(具体的には、ステロイド材を保湿剤に混ぜ込んで処方することはガイドラインでは避けるべきと記載されています。)
2.投薬だけでなく、身体の洗い方や日常生活上の注意など、生活指導も併せて行っていくこと。
3.内科小児科の診療技術を活かし、皮膚だけでなく、身体全体を健康な状態に改善することを心がけて治療を行うこと。
4.漢方薬を皮膚科診療にも積極的に使用すること。(皮膚科疾患に有効な漢方薬も沢山あります)
5.毎日のスキンケアは大変な手間であり、実践して頂くのは患者さんご本人ないし親御さんなので、基本的にはご本人の意向を伺いながら相談の上、治療方針を決定すること。(このため、同じ疾患であっても治療内容は個々の患者さんにより異なります)
皮膚科専門医ではありませんので、悪性疾患や特殊な皮膚科疾患には対応できないため、専門医へ紹介させて頂く場合があります。
しかしながら、皮膚科専門医に受診をしていたがなかなか良くならないとの主訴で当院を受診される方も少なからずいらっしゃいます。
その方の治療内容を見てみると1番多いのが、皮膚の症状が改善したところで直ぐに治療を中断あるいは終了していることです。
現在アトピー性皮膚炎に関しては、ガイドラインでも「プロアクティブ療法」という考え方が推奨されています。
症状が良くなったように見えても、皮膚の深部ではまだ炎症が残っていて、治療を中止してしばらく経つと、残っていた炎症が表面に出て再発してしまうのです。
このため、一見治ったように見えても、しばらくは根気よく治療を続ける必要があります。
これらの診療を行うには、特に初診の患者さんにご説明する内容も多く時間も手間もかかるため、一般的に混雑する皮膚科医療機関ではあらかじめ決められた内容の外用薬を処方するのが精一杯という所も多いかと思われます。
ただし、最初にしっかり説明して理解が得られた場合には状態も改善しやすく、治療も円滑に進むケースが多いため、当院ではリーフレットも活用しつつ、丁寧なご説明を心がけています。
当院の皮膚科診療は上記のような方針で行なっておりますので、皮膚科医療機関を選択する上でのご参考になさって頂ければと思います。
当院で対応可能な治療として
液体窒素によるイボ治療
水イボの治療(摘除、漢方薬)
肌荒れ、手荒れ、あせも、湿疹、かゆみ、虫刺され、かぶれ、にきび、ヘルペス(帯状疱疹、口唇ヘルペス)、おむつかぶれ、アトピー性皮膚炎、とびひ、ひょう疽、蜂窩織炎、たこ、うおのめ、水虫、軽いやけど、など
尋常性乾癬などの自己免疫性疾患は診断がついて外用薬塗布で対応が可能な状態の方のみお引き受けいたします。
メラノーマ、ボーエン病などの悪性疾患ないし類似疾患については対応が難しいため専門医をご紹介いたします。
レーザーや紫外線療法などの設備は当院には無い為ご対応できません。
開院後、大勢の患者さんが受診されるようになりましたので、今回当院の皮膚科診療の内容について詳しくご説明させて頂きました。
この記事につきましては、さらに内容を深めて、ホームページ内の記事に移行する予定にしております。
今後ともクリニックをよろしくお願い申し上げます。