漢方外来のご紹介
- 2021.01.07
当院では開院当時から、漢方薬を使用する治療を行う漢方外来も行っております。
ホームページを見て遠方からいらっしゃる患者様も多く、昔に比べて需要が高まっているのを感じます。
院長は勤務医時代から10年以上に渡り、漢方や東洋医学の研修や勉強会などに通いながら、日常の診療に漢方を活かして、その効果を実感してきました。
漢方のメリットは、1種類の漢方薬で複数の症状の改善をはかることができ、副作用も少なく、薬代も安い事が挙げられます。当院では保険適応の医療用漢方薬を使用しておりますので、いわゆる漢方薬局にありがちなお薬代が高額になってしまうことはありません。
赤ちゃんの夜泣きから、ご高齢で多くの基礎疾患を抱え既に多数の薬を服用されている方や、妊婦さんや授乳されている方も、漢方薬なら使用することが可能です。
また原因がはっきりしない、あるいは検査で異常が見つからないが、辛い自覚症状があるような場合は特に漢方薬が威力を発揮します。
また病気になる前段階の症状、例えばまだ風邪という症状ははっきり出ていないが、なんとなく寒気がしてだるい、なんとなく食欲が無い、疲れやすい、冷えやすいといった症状が出た段階で漢方薬を服用すると、症状が悪化して病気に移行してしまうのを予防することもできます。
更年期症状などの症状が多数あるような状態や、起立性調整障害、精神薬を使用したくない不眠症や不安障害などにも、適した治療です。
漢方薬は気休めと思われているドクターや患者様も多いのですが、実は漢方薬の効果は各医学学会等でも認められており、治療のガイドラインにも漢方治療が採用されるようになっています。
同じ症状でも人によって使用する漢方薬の種類が違うことも漢方薬の特徴です。例えば同じ頭痛であっても、肩こりや高血圧によるもの、緊張やストレスによるもの、偏頭痛、寒さや気圧の変化が原因のものなど、あとは患者様の年齢、性別、体型、体力、冷えや便秘があるか、舌の状態はどうか、メンタルの状態などを総合的に判断して、処方する漢方薬の種類を決めていきます。
たまに「友人が同じ症状で飲んだら良くなったと言われたので、同じものを処方して欲しい」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、上記の理由により、ご友人と同じ漢方薬がその患者様に有効とは限りませんので、診察を受けてからご自身に適した処方を受ける事をお勧めいたします。
漢方薬の唯一の欠点ですが、種類によっては苦味があって飲みにくいこと、錠剤が少なく顆粒のものが多い事です。
これも、漢方服薬専用のゼリーを使用したり、何かに混ぜて内服して頂いても問題ありません。しかし、意外に苦い漢方薬でもお子さんが喜んで飲めるケースも多く、ご自身に合っているものは美味しく感じるという不思議なセオリーが漢方にはあったりします。
発達に問題があって、落ち着きが無い、不眠などの症状のある方にも漢方が有効な場合があり、喜んで内服してくれるお子さんも多くいらっしゃいます。
また漢方が得意とする分野とあまり得意でない分野、例えばコレステロールが高いとか、血糖値が高いといった場合には、食事や運動療法併用の上、どうしても通常の薬の力を借りることにはなると思います。
通常のお薬では効果が無いケースや、治療の方法が無いと診断されてしまった場合には、一度ご相談下さい。