西立川おとなとこどもの
クリニックのブログ

中秋の名月

今晩は8年ぶりの満月の名月とのことで、雲間から垣間見たお月様が美しい夜でした。

帰宅して月を見たくて犬を連れて歩いていると、見知らぬ年配の女性に声をかけられました。

「お月様見た?今日は8年ぶりなんだって。さっき少し見えたんだけど」

「私が仕事帰りに車から見た時はオレンジの月がとても綺麗でした。今は雲に隠れてますね。」

「あら、そうだったの。様子を教えてくれてありがとう。」

「8年ぶりなんて、なんか拝んでおかなきゃって気になりますね、お月様」

「あら、あなたもそう思う?よかった!私もそう思って見に出たのよ。お話しできてよかったわ。ご苦労様。」

そんな会話をして女性と別れました。

なんとなくあったかい気持ちになりました。

コロナ禍で人と人との関わりは希薄になる一方で、でもそれが心地よいと感じる人もいるでしょう。

でも結局、人を癒すのも傷つけるのも、人なんだろうなぁ。

様々な仕事がAIに取って代わられる今、医師としてロボットに役目を奪われないためには、人にしかわからない心の奥深くを覗いて、相手が求めている言葉や問いかけを、的確に探し当てる役割を果たしていかなければならないと感じています。

人だからこそ、僅かな言葉を交わすだけで、こんなに癒されもするし、時には傷ついたりもする。

綺麗なお月様がそっと教えてくれた夜でした。

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