西立川おとなとこどもの
クリニックのブログ 診療について

日本小児心身医学会について

昨年12月付で、院長は日本小児心身医学会の正会員として承認されました。

小児心身医学会は、不登校、起立性調節障害、摂食障害、過敏性腸症候群など、ストレスや心の問題や成長に伴う身体の異変が原因で引き起こされる身体的症状について診療を行う医師が参加している医学会です。

当院でも3年間の間に予想以上に大勢の患者さんを診療してきました。

特に多いのは起立性調節障害で、この疾病は世間での認知度が低くく、治療に時間がかかることから、周囲の理解が得られず、患者さんや親御さんが辛い思いをすることが多いのです。怠けていると誤解されることも多く、同じ家族でもお母さんには理解が得られても、お父さんからクレームが来たり、学校の先生から精神科の専門病院に受診するように言われたりすることも多々あります。

好発年齢が14歳〜18歳くらいなので、小児科では診療せず、内科的な疾患の鑑別が必要になるため精神科でも診療対象外になることがあり、思春期外来が担当になるのですが、現在近隣の思春期外来は予約が半年程度先にしか取れない混雑状況となっています。

この為、当院でも出来る限り未来ある子供達の役に立ちたいと考えて診療を引きうけてきましたが、さらなる専門的診療も可能になるべく、専門研修を受けながら認定医を目指すことにしました。

このブログでも、小児の心身医学について追々紹介していきたいと考えています。

また私に入会の機会を与えて下さった、推薦人でいらっしゃる東京西徳洲会病院児童精神科の先生方に心より感謝申し上げます。

今後も近隣の思春期外来や児童精神科の先生方のご指導を賜りながら、連携して地域の子供達の心と身体をサポートして行こうとあらためて決意している次第です。

漢方外来のご紹介

当院では開院当時から、漢方薬を使用する治療を行う漢方外来も行っております。

ホームページを見て遠方からいらっしゃる患者様も多く、昔に比べて需要が高まっているのを感じます。

院長は勤務医時代から10年以上に渡り、漢方や東洋医学の研修や勉強会などに通いながら、日常の診療に漢方を活かして、その効果を実感してきました。

漢方のメリットは、1種類の漢方薬で複数の症状の改善をはかることができ、副作用も少なく、薬代も安い事が挙げられます。当院では保険適応の医療用漢方薬を使用しておりますので、いわゆる漢方薬局にありがちなお薬代が高額になってしまうことはありません。

赤ちゃんの夜泣きから、ご高齢で多くの基礎疾患を抱え既に多数の薬を服用されている方や、妊婦さんや授乳されている方も、漢方薬なら使用することが可能です。

また原因がはっきりしない、あるいは検査で異常が見つからないが、辛い自覚症状があるような場合は特に漢方薬が威力を発揮します。

また病気になる前段階の症状、例えばまだ風邪という症状ははっきり出ていないが、なんとなく寒気がしてだるい、なんとなく食欲が無い、疲れやすい、冷えやすいといった症状が出た段階で漢方薬を服用すると、症状が悪化して病気に移行してしまうのを予防することもできます。

更年期症状などの症状が多数あるような状態や、起立性調整障害、精神薬を使用したくない不眠症や不安障害などにも、適した治療です。

漢方薬は気休めと思われているドクターや患者様も多いのですが、実は漢方薬の効果は各医学学会等でも認められており、治療のガイドラインにも漢方治療が採用されるようになっています。

同じ症状でも人によって使用する漢方薬の種類が違うことも漢方薬の特徴です。例えば同じ頭痛であっても、肩こりや高血圧によるもの、緊張やストレスによるもの、偏頭痛、寒さや気圧の変化が原因のものなど、あとは患者様の年齢、性別、体型、体力、冷えや便秘があるか、舌の状態はどうか、メンタルの状態などを総合的に判断して、処方する漢方薬の種類を決めていきます。

たまに「友人が同じ症状で飲んだら良くなったと言われたので、同じものを処方して欲しい」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、上記の理由により、ご友人と同じ漢方薬がその患者様に有効とは限りませんので、診察を受けてからご自身に適した処方を受ける事をお勧めいたします。

漢方薬の唯一の欠点ですが、種類によっては苦味があって飲みにくいこと、錠剤が少なく顆粒のものが多い事です。

これも、漢方服薬専用のゼリーを使用したり、何かに混ぜて内服して頂いても問題ありません。しかし、意外に苦い漢方薬でもお子さんが喜んで飲めるケースも多く、ご自身に合っているものは美味しく感じるという不思議なセオリーが漢方にはあったりします。

発達に問題があって、落ち着きが無い、不眠などの症状のある方にも漢方が有効な場合があり、喜んで内服してくれるお子さんも多くいらっしゃいます。

また漢方が得意とする分野とあまり得意でない分野、例えばコレステロールが高いとか、血糖値が高いといった場合には、食事や運動療法併用の上、どうしても通常の薬の力を借りることにはなると思います。

通常のお薬では効果が無いケースや、治療の方法が無いと診断されてしまった場合には、一度ご相談下さい。

緊急事態宣言に関連して

明日緊急事態宣言が出される予定となっています。

当院では今のところ通常通りの診療を行う予定でおります。

当院ではコロナ流行が始まってから一貫して、発熱や風邪の症状のある患者様の診療もお受けしてきました。特に重症と予想される方は一般診療と別時間に診療を行ったりしております。感染予防の為、2箇所の個室を使用しながら運用を行なってきましたが、今後発熱される方の増加も予想されるため、診療時間の変更を行う可能性がございます。その際には予めお知らせ欄やライン等でお知らせ致しますので、ご来院前にご確認お願い致します。

時々かかりつけの患者さんが、「熱が出たら診てもらえるか心配」とのお声を頂きますが、事前にお電話を頂ければご対応させて頂きますので、ご安心下さい。

また最近は、「普段は勤務先の都心のクリニックに通院しているが、リモートワークになってしまったのでその間だけ普段飲んでいる薬を処方してもらえないか?」「今ままで遠くの病院に通っていたが、通うのが怖いのでこちらで診察してもらえないか?」といった問い合わせが増えています。その際は処方内容が正確にわかるもの、お薬手帳やお薬内容の印刷された用紙などをお持ち頂ければ、診察させて頂いたうえでご対応させて頂きます。

当院は総合診療を行なっておりますので、診療科の垣根を越えてお身体全体を診るように心がけております。

通常、症状によって多数の科に受診するケースが多いようですが、当院では診療範囲が広いため、一度に複数の科の診療が済んでしまうので時間も費用も節約できますし、感染の機会も減らすことができると思われます。今こそ総合診療の威力が発揮できる時ではないかと感じております。

本日の診療では、年末年始に転倒され受診を我慢されていたとの事で、本日当院の検査で骨折が判明し固定処置をさせて頂いた方や、口腔内の出血が止まらず体調不良になられた方は年末年始に診療を受けられなかったとのことで本日受診されました。整形外科や外科についても設備としては不十分ではありますが、可能なら範囲で極力ご対応させて頂こうと考えております。

コロナ禍の中でも赤ちゃんは生まれていて、大変な状況の中、ママ達はみんな頑張って子育てしています。

2か月から予防接種が始まります。ワクチンによっては4ヶ月くらいまでには接種しないと副反応のリスクが高く接種自体ができないものもあります。コロナだからと何ヶ月もずらすことはできません。妊娠中も母親教室などの中止などあり、十分にママになる教育を受けないで赤ちゃんを育てなければならないケースもあります。

当院では生後1ヶ月未満の赤ちゃんから診療を行なっており、初診時にできるだけお声かけをして育児のアドバイスを行なっています。

子育てやご自身のお身体、母乳育児に関することなどでお困りの方は一人で悩まずにご相談下さい。感染が心配な場合には個室での対応の配慮も致します。

新型コロナという感染症は人類にとって初めての経験です。長引いている事で様々な分野に影響が出ており、生活が脅かされたりしています。それによって人の心が荒んでしまう事がもっと恐ろしく感じます。

緊急事態だからこそ、冷静に、そして思いやりの気持ちを忘れずに、赤ちゃんからご高齢の方まで皆さんの健康をお守りできるように頑張ります。

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