あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願い申し上げます。
クリニックは本日5日から診療開始いたしました。
スタッフ全員揃って元気に朝礼からクリニックの1年がスタートしました。
仕事から離れていた年末年始は、家庭のことなどで忙しくはしていましたが、ストレスと疲労で正直元気はなかったのですが、クリニックで患者さんとお話ししているとだんだん元気が出てきました。医師の仕事を一生懸命している時の方が、あまり余計な事を考えなくて済むので、精神的には楽だったりします。特にうちのクリニックの患者さんは皆さん本当に温かい方々で、私の事を信頼して頼って下さる気持ちがありがたくて、落ち込んでいてもがんばらなきゃ!と奮い立たせて下さるのです。
コロナがまだまだ大変な日々が続きますが、患者の皆さんと一緒に乗り越えていきたいと思います。「コロナにかかってしまったらと不安です」とおっしゃる方も多いですが、私も不安なのは同じなので、その気持ちを診察室で吐き出すことで、悩みを共有して和らげていけたらと思います。
小さなクリニックで、できることには限界もありますが、大きな病院が医療崩壊をなるべく起こさないように、微力ながら頑張っていきたいです。大切なのはコロナの為に人々が責めあったりいがみあったりせず、皆で協力して収束に向け努力していくことで、医療従事者も患者さんと協力し、出来るだけ感染しないように、あるいは感染してしまっても重症化しないように、日頃から健康管理を徹底することが重要と考えます。
具体的には、血圧や血糖値など生活習慣病の管理、睡眠、食事、運動などの指導、ストレス回避の方法などのメンタルケア、漢方薬などを利用した予防医療などが挙げられます。
地域に根差したクリニックでも、コロナ感染症抑制の為にできることは沢山あると思うので、自分なりに考えながら、自分の患者さんを守っていきたいと改めて思います。
このブログも思った以上に多くの方が読んでくださっているようで、感想を頂戴することも度々あります。拙い文章で大変恐縮ですが、楽しみにして下さる方の為にも、今年はさらにブログも充実した内容にしていきたいと考えておりますので、引き続きお目通しの程よろしくお願い申し上げます。
どうか時々弱気になってしまう私に激励をお願いしたいと思います。
皆様の笑顔が私には1番の活力になります。
お身体の悩みや心の悩み、子育てや介護の悩みなど、普段以上に今は辛い事が多いと思いますが、私でお役に立てる事があれば、何でもご相談頂ければと思います。
生きるということ
世界はこの1年ですっかり変わってしまいました。
そしておそらく、コロナが収束したとしても、以前のような世の中には戻れないような感じがします。
感染症の脅威はコロナ以外にも予想されますし、今後も繰り返し同様の事が起きる可能性もあります。
日本国内で言えば、地震や台風など、昔には考えられないような規模で災害が発生しており、今後さらにそのリスクは大きくなることが予想されます。
少子高齢化が進み、年金は減らされ税金は上がり、終身雇用は無くなり、安定した生活を望むのが難しい時代となっています。
この先明るい材料が見つけられない今、私達は何を心の支えに生きていけばよいのでしょうか?
クリニックにも、辛い気持ちを抱えて相談される方が大勢いらっしゃいます。
時には深刻で、自らの命を断とうと考えた事を打ち明けられる方もいます。
診療中はお話しに耳を傾けて共感し、安全な薬を処方して、どうか来月も必ずお顔を見せてくれるようにお願いすることしかできず、自分の無力さに歯痒さを噛み締める日々です。
人はなぜ生きるのか?
多くの先人がその答えを模索し、言葉や芸術や宗教、哲学で表現してきました。
でも最近、自分自身で、なぜ?が見つけられないこともあるのでは?と考えるようになりました。
生きていくための生きがいとか、希望とか、守るべきものとか、他者に必要とされることとか、そういうものが全く無かったら、生きていく意味はないのだろうか?と。
ただ、淡々と意味も無く毎日生きていく人生でもいいのではないか
今日一日生きることだけ考え、明日から先のことはなるべく考えないようにし、とにかく今日一日生きて夜なんとかして眠って次の日の朝を迎えること、それを積み重ねていけばよいのではと思ったりします。
死んでしまいたいともし思っているなら、綺麗事は言えない、この先明るく楽しい未来なんて無いかもしれない、この先もずっと辛いことの方が多いかもしれない、それでもわがままかもしれないけど、やっぱり生きていて欲しい、生きていたら何か感じることのできる風景が広がっていると、根拠のない想像を押し付けてしまいたくなるのです。
ある精神科の先生がネットで、「手放せば幸せになれる」と書いていたけれど、それが出来ないから苦しむんだと思うのです。
でも手放せないまま、背負ったまま、死ぬのではなく生きていって欲しい。
ずるずる引きずって、傷だらけになっても、ずだボロになっても生きて行ったら、また明日の陽が昇り新しい景色が見えてくる、そして幸せそうに見える隣人も、案外色々なものを背負っていたりするかもしれないのです。
診療時間は限られており、心療内科としてお受けできる人数は限られており、自分自身の非力を実感する毎日です。
自分自身も悩み苦しんで今の日々を生きています。
どうかみなさんの心に安らぎの光が降り注ぎますように
今夜だけでも穏やかな気持ちで眠りにつけますように
そして明日も生きていけますように…
今週の出来事
学校や保育園が始まったことや、天候不良の影響か、体調を崩される方が増えて、毎日緊張しながら診療をしています。
そんな中、嬉しい出来事が幾つかありました。
当院では夜尿症の患者さんが大勢いらっしゃいますが、今週は新たに2人のお子さんが無事に治療卒業を迎えました。
夜尿症の治療は内服薬が特殊で飲食を控えて内服したり、生活習慣を改善したり、記録をつけて頂いたりと、ご本人だけでなく支える親御さんも大変なのですが、そこを乗り越えて卒業までこぎつけた時には、医師としても本当に嬉しく感慨深いものがあります。
治療を始めた時不安そうにしていたお子さんが、笑顔で卒業していく姿は誇らしく、困難を克服できたことは今後様々な困難な出来事を自信を持って乗り越えていけそうな気がします。
またお子さんと親御さんの努力に敬意を表したいと思います。
またある日は可愛らしい女の子の患者さんが描いてくれた私の似顔絵を頂きました。申し訳ないくらい若くて可愛らしく描いてもらって恐縮でしたが、とても嬉しかったのでご紹介したいと思います。
いつもご家族みなさんで受診をしてくださるのですが、一時期体調がすぐれず、なかなか良くならないこともありましたが、私を信頼してくださって受診をしてくれました。最近は背も伸びて、すっかり素敵なお姉さんとなり、体力もついて丈夫になってきました。おばあちゃまも受診して下さるのですが、先日もお気遣い頂き、優しい言葉で励まして下さいました。かかりつけの患者さんの言葉には本当に元気付けられます。感謝の気持ちでいっぱいです。
もうひとつは悲しく残念な出来事ですが、お隣の市の医院の院長先生が急に亡くなられました。そちらのかかりつけの患者さんが数人受診されました。数あるクリニックの中から新しいかかりつけに当院を選んでくださったことに心より感謝申し上げると共に、大先輩の先生の患者様を引き継がせて頂く重責に身が引き締まる思いです。足元にも及ばない若輩者ですが、少しでもお役に立てたらと存じます。
コロナ流行が続く中で、医師として世のため人の為に何ができるのか、と考えた時に、自分にはひたすら診療を続けるしかないのだろうと思います。医師以外の事はできないですし、とにかく目の前の患者さんにできる限り対応していく事、オンラインツールを整備して対面での診療が叶わなくても患者さんが困らないように新しい診療スタイルも並行して取り入れていくなど、コロナに負けないようにこちらが進化していくしか道は無いと考えます。
しかし変わってはいけないのは、思いやりとか信頼関係、感謝の気持ちではないかと思います。コロナによって、人の心まで荒れてしまい、物的な距離だけでなく心の距離まで広がってしまわないように、思いは繋げていきたいと思います。