西立川おとなとこどもの
クリニックのブログ 日々の出来事

がんばれ!ママ

コロナの影響で世の中は激変し、それは医療の世界も例外なく、医療制度なども変わりました。それに追いついて行くのに必死で、最近は院長の私もスタッフもかなり疲労してきていました。院内感染を予防すべく、換気や清掃、消毒、診察室や待合室を分散したり、オンライン診療を導入したり、予約枠の変更や診療時間の変更など、やることは山ほどあり、今もそれは続いています。どこのクリニックや病院も、同じ状態でしたが、最近少し落ちついてきた様子で、提携している大きい病院さんからも、通常の診療に戻して行く連絡を頂いたりして、少し一息ほっとしているところです。

そんな折、あるママからお手紙を頂きました。いつもお子さんと一緒にママ自身も受診されている患者さんです。穏やかで優しい雰囲気の方で、私もスタッフもお会いするとゆったりした気持ちにさせて頂ける方です。

「ラブレターです」とおっしゃって下さったそのお手紙は、ご自身で描かれた可愛らしいイラストの封筒に入っていました。

内容は秘密ですが、あまりに感激してしまったので、お昼休みにスタッフ全員の前で読み上げました。全員で感動して、また明日から頑張ろう!これからも患者さん達の為にできることをしていこう!と決意を新たにしました。

そのお手紙を読んで、ふと思い出したことがありました。

私がお産で入院したのは当時勤務していた病院でした。産休ギリギリまで働いていたので、勤務の合間に受診ができるという消極的な理由で選んだ産婦人科でした。当時その病院が「赤ちゃんに優しい病院」という施設基準を取得するのにやっきになっており、大部屋なのに完全母子同室だったり、完全母乳育児の推進をして、しかもかなりスパルタでやっていました。

私はいずれのお産も難産で、産後に貧血になったりして体調も悪く、大部屋での母子同室は大変辛かったのです。夜中に自分の子泣くと、同室の他の方にご迷惑がかかるので気が気ではなく眠れず、仕方なく長い廊下を歩いて授乳室までいき、フラフラしながら授乳していました。貧血、寝不足、疲労が重なり母乳もなかなか出なくて、さらに子供は泣くという悪循環でした。しかし、先生や助産婦さんから温かい言葉はもらえなかったように思います。「ママになったんだから子供の為に一生懸命がんばるのが当たり前」という雰囲気があり、辛い気持ちも吐き出せないまま退院してきた感じでした。

末っ子の時には逆に一気に母乳の分泌が増えて乳腺炎を起こしてしまい、それも冬の時期だったので、高熱をインフルと疑われ、産後2日目で自宅へ帰る事を提案されたり、踏んだり蹴ったりでした。

産休が明けて勤務再開した後に、その病院が結局、「赤ちゃんに優しい病院」の認定を逃したことを知りました。その後医局にアンケートが配られ、「どうしたら認定されるか意見を書いて欲しい」といった内容が書かれていました。

私は「赤ちゃんに優しい病院にするためには、まずママに優しい病院にならなければダメだと思う。ママが幸せな気持ちでお産を迎えられ、産後の肥立ちも良く、幸せな気持ちで育児ができたら、自然に赤ちゃんも幸せになるはずだ」と記載しました。

その後どうしたかはっきりしませんが、確か産婦人科の先生に受診した際に、私の意見を批判されたような記憶があります。

赤ちゃんにとって医学的に正しい事を母親に指導して行くことが大切なのだと。

でも、赤ちゃん産んだらすぐにママになるわけじゃないですよね。

赤ちゃんを試行錯誤しながら育ていき、だんだんママになっていくんです。

安産で何事もなく順調にいくこともあれば、難産や母乳がでなかったり、赤ちゃんに病気があったり、事情があってミルクで育てなければならない場合もあります。

産婦人科のドクターは妊婦と赤ちゃんのことを考え、小児科のドクターは赤ちゃんや子供のことを考えます。内科はおとなのことを考える。

じゃあママのことは?

初めての赤ちゃんで、どうしたらいいか不安でわからなくて、うまくいかずに辛い気持ちになってるママ、乳腺炎で高熱が出てるけど産後1か月過ぎたら産婦人科ではみてもらえないママ、2回目以降のお産で上の子が大変、体調も悪いけど誰も助けてくれない、病気じゃないからと…

少しだけオープンにしてしまうとお手紙には、「総合診療をしてくれてよかった」という内容が書かれていました。

だんだん少子化がすすみ、子供の数が少なくなり、子供の居場所や子育てを相談できるところも少なくなりました。

保育園の方針もだんだん厳しくなり、今回のコロナの影響も大きく、少しでも体調不良や熱があると預かってくれないことも多々あるようです。

今のママ達は、私が子育てしていた時以上に大変だと思います。

しかもコロナという前代未聞の出来事に翻弄され、健診も中止になったり、過酷な状況で頑張ってるママが沢山います。

私のお産も子育ても全然順調ではなく、失敗だらけです。子育ては現在進行形ですが、もう大きいとはいえ、毎日が試行錯誤で迷いのある日々。相談相手は先輩ママや学校の先生達、昔通っていた保育園や小学校の先生とも未だに交流がありアドバイス頂いているくらいです。

それでもなんとか頑張ってここまで来ました。

今小さなお子さんを抱えて大変な思いをしてるママ達へ

何とかこらえて、今を乗り越えて行きましょう!

お子さんはママのこと大好き

母乳が出なくても、イライラして怒っても、忙しくてあんまり遊びに連れて行けなくても、うっかり怪我をさせちゃったり、うまく寝かしつけできなくても

それでもママのこと大好き、これは間違い無い

そんなに優秀なママじゃなくていいから、ぼちぼち行きましょう!

ママは失敗しても子は育つ

いつもクリニックに来て、ご自身が大変なのに、温かい励ましの言葉をかけてくれるママ達、本当にありがとうございます。折れそうになってる気持ちが、その言葉と笑顔で繋がっています。

前も言ったかもしれませんが、もう一度言わせてください

世界中のママが幸せになりますように❣️

感謝の気持ち

今日は患者さんからフェイスシールドの差し入れを頂きました。さらに「アベノマスクも必要なら持ってきます」と温かいお声かけを頂きました。ありがとうございます!

開院してしばらくはどちらかというとお子さんの患者さんが多かった当院ですが、最近は大人の患者さんが多くなり、すっかり落ち着いた雰囲気になっています。

同世代の女性の患者さんも多く、同じ子を持つ母として、悩みを共感したり、お互いに頑張りましょうと励ましあったり。

正直、コロナの流行が始まってから、不安なことだらけでした。でも、家庭では子供達を守らなければならないし、クリニックではスタッフを守らなければならないし、地域医療も支えていかなければと、ずっと気持ちを張り詰めていたように思います。

そんな中、支えてくれたのは、自分が守ろうと気負っていた、患者さんであり、スタッフであり、子供達でした。

いつも温かい声かけをして、励ましてくれる患者さん達、のんびりおっとりで、私の愚痴や小言をスルーして明るい雰囲気を保ってくれたスタッフ、ずっと学校に行けず不安でいたにも関わらず、前向きにとらえ、きょうだいで仲良く助け合い、夕飯も作って待っていてくれた子供達、結局支えられていたのは自分の方でした。

独立してクリニックを開いてから、なかなか自信が持てなくて迷いもあり、開業したことを少し後悔することもありましたが、コロナで大変な今の方が、頑張ってやっていこうという気持ちが強くなって、肝が座ってきました。

またまだ困難は続きますが、でも独りじゃないと今は思えるのです。自分を支えてくれる大勢の人に感謝して、今自分の持っている力で微力ながらも社会に貢献したいと思っています。

コロナの影響で殺伐とした出来事も耳にしますが、困難な今だからこそ、思いやりや感謝の気持ちを持って過ごしていけたらと思います。

皆様いつもいつも、ありがとうございます!私も頑張ります!

清らかな心

今日、患者さんが診察の際に、ご自宅にお持ちだったN95マスクを差し入れて下さいました。日本中がマスクの争奪戦になっている時に、本当にそのお気持ちがありがたくて、感激してしまいました。ご自身で使用される選択肢もおありだったと思うのですが、わざわざ当院にお持ち頂いたお気持ちを思い、さらに励ましのお言葉も頂いて、そのお心の広さと温かさに感謝の気持ちでいっぱいになりました。

コロナのせいで心に余裕がなくなり、日本中がギスギスして、感染した人をたたいたり、コロナ対応をしている医療従事者の差別なども問題になっているご時世に、当院の患者さんは、皆さん受診して下さる時は穏やかにいつもと変わらず接して下さり、この地域で開業して本当に良かったと思います。

また別の患者さんも、普段と変わらない笑顔で励まして下さり、わざわざデザートの差し入れをしてくださいました。

緊急時にも自分以外の他者に思いをはせて、思いやれる心の広さを持つこと、これが、未知のウイルスとの闘いに打ち勝つ為に必要なことではないかと思うのです。

しかし、私自身も最近はコロナの影響にストレスを感じ心に余裕を持てなくなり、焦りや不安を感じたりしていました。

それでもクリニックで診療が始まると、患者さんの笑顔や、「頑張ってくださいね」のお言葉や、生まれたばかりの赤ちゃんの笑顔、お子さんの可愛らしいお喋りに癒されて、心を奮い立たせ、頑張ろう!と前を向けるのです。

私が患者さんを支えているよりずっと、患者さんの笑顔や言葉が私を支えてくれています。

皆さん、本当にありがとうございます。

明日からも頑張ります😊

昨年の夏に旅をした秋田で、お堀に咲いていた蓮の花です

蓮の花は泥水を吸い上げ美しい花を咲かせます。花言葉は「清らかな花」

人の醜さや世の中の汚れたものを浄化して美しさに変えてくれる、蓮の花のように清らかな心を持つ事ができますように…

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