クリニックの「ファミリー」
- 2019.09.12
先日、開院当初から通って下さっていたけれど少し遠方に引っ越された患者さんがお子さん連れでわざわざ受診して下さいました。
慣れない環境でお疲れの様子でしたが、変わらない笑顔と可愛いお子さん達と久しぶりに懐かしく楽しいひと時でした。
ご本人はお怪我をされていたので処置をさせて頂いたのですが、後日にも治療の相談のお電話があり、対応させて頂いたのですが、引っ越し先の医療機関より、当院を頼りにして下さったことを嬉しく思い励みになりました。
開院して1年3ヶ月が過ぎようとしていますが、長く通って来られた赤ちゃんは歩くようになり、ご家族の方はお子さんが増え、大人の方も家から近いからと、遠くの病院から変えてかかりつけにして下さる方も増えました。
「孫が通っているから」「奥さんが先に来て、あなたもかかりなさいと言われました」など、ご家族の紹介でいらっしゃる方も増えています。
学校単位で紹介されて来られたケースもあり、頼ってくださる信頼のお気持ちを重く受け止めております。
また長く通院されている方は、クリニックにも徐々に慣れてきて、当院のカラーに染まっていらっしゃるというか、バタバタ混雑しているときにも、待合室には穏やかな時が流れているような気がします。
時には重篤な症状で来院され、救急車を呼ぶような事態になることもありましたが、出来るだけ不安を和らげ安心できるような雰囲気作りを心がけて来ました。
出来るだけ大勢の患者さんを見るために、割り切って流れ作業的にしてしまえば、待ち時間も短縮できるのでしょうが、私の医者としてのスタンスからは外れてしまうので、ケースによってはじっくりお話しを伺い、次の方をお待たせしてしまうこともあるかもしれません。時々、自分が2人いたらもっと患者さんに色々してあげられるのに、と無力さを情け無いと思うこともあります。
開業しようと思い立った時に、クリニック名を決める際、総合診療科でよくある、「ファミリークリニック」という名前は付けないと決めていました。
世の中には、ご家族を持たない方もいらっしゃるし、ご家族がいたとしても孤独で辛い毎日を過ごされている方もいると思うからです。
だから全年齢のどんな方も受診ができるようなという思いで今のクリニック名にしました。
しかし、今はまた別の思いで、うちのクリニックは「ファミリークリニック」だと感じています。
それは、患者さん皆さんが、このクリニックの「ファミリー」であるということです。
かかりつけの患者さんの様子がおかしかったり、他の病院に紹介や搬送になったりすると、スタッフは皆心配し、「何かあったのかな?」と話題になり、紹介先の病院から返信が来ると皆んなで読んで「異常がなくてよかったね」とまるで家族のように心配するようになっています。
患者さんも、「先生もお疲れ様」、「前髪切ったの?」「そのユニホーム可愛いですね」など声をかけて下さったり、徐々にファミリーの温かい心の繋がりができてきているように感じています。
私1人の力はとても小さく弱く大変無力ですが、ファミリーである患者さん達や、スタッフや、地域の方々や他の医療機関、医師会の先生方の支えで、何とかお役に立つことが出来ています。
うまくいかなくて落ち込むことも多々ありますが、翌日診療が始まるとまた元気になってきます。
立派な先生がいらっしゃる病院は沢山ありますが、もしも機会がありましたら当院のファミリーに加わりませんか?何かお役に立てることがあるかもしれません。
これから秋冬に入り、忙しくなるシーズンですが、出来るだけリラックスして受診ができるように色々な工夫をしつつ皆様をお迎えするようにスタッフ一同頑張ります!